RPA とは? ~企業の労働生産性を向上させ人手不足を解決するICT技術~

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 RPA はご存じですか?RPAは「Robotic Process Automation /ロボティック・プロセス・オートメーション」の略で、「パソコン業務を自動化するためのツール」のことです。単純な繰り返し作業をRPAに実施させることで、人手で行ってきた定型的な事務作業を自動化し効率化することができます。

 本記事ではRPAが注目される背景とRPAの活用例から、RPAを導入時に考えるべきポイントについて紹介します。

 

目次

RPA が注目される背景

RPA の活用例

導入時に考えるべきポイント

  RPA の使い方の習得

  業務の洗い出し

  業務改善の検討

  費用対効果の検討

  運用体制の検討

まとめ

RPA が注目される背景

 少子高齢化による生産労働人口の低下により、人手不足の企業も多いと思います。加えて、「業務プロセスの効率化」「デジタル・トランスフォーメーションの加速」「業務の自動化の推進」といった経営課題への対応も必要であることから、人手不足の中で生産効率を上げる施策の重要性が高まっています。

 総務書の令和3年版情報通信白書(※1)では、次のようにICTと労働生産性向上について考察されています。
「ICTに係る労働力向上」とは、企業がICT(AIやRPA等)を導入することにより、同等の生産物・付加価値を生み出すのに必要な労働力を減少させることで、企業の労働生産性を向上させることが想定される。

(※1) 出典:令和3年版情報通信白書
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/pdf/index.html
第3章「誰一人取り残さない」デジタル化の実現に向けて
2 デジタルが貢献する社会・経済課題の解決ー2 デジタルの経済成長への貢献

 こうした背景もあり、人手を極力かけずに労働生産性を高めるための手段として、ICT技術(RPA)の活用が注目されています。

RPA の活用例

RPAは、例えば次のような業務での活用が期待できます。

・会計システムやSFA/ERPへのデータ入力
社内システムまたはクラウドシステムへデータを自動入力するために活用する。

・定期的なシステム監視と監視状況の自動メール送信
定期的にシステムの状態を確認し、状況をメールで自動送信するために活用する 。

・データの集計と分析レポートの作成
複数のデータを統合・集計して、分析レポートを作成するために活用する 。

・請求書データの入力
売上情報をもとに、データを入力して請求書を完成させるために活用する 。

導入時に考えるべきポイント

RPA の使い方の習得

 RPAの活用において、プログラミングの知識はあまり必要ではありませんが、どのようなツールでも最初に使い方を知る必要があり、RPAも例外ではありません。そのため、導入するRPAにおいて学ぶ機会の提供があるかを事前に確認しましょう。

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業務の洗い出し

 RPAで自動化したい業務や、時間がかかっている 業務 、属人化している業務を事前に洗い出しましょう。この時、RPAに適した業務と、あまり適さない業務があるため、その点の評価も行い、適した業務を最終的に洗い出しましょう。 RPAに適した業務と適さない業務のポイントは下記になります。

RPAに適した業務
  ルール化された定型業務(所定場所格納・所定形式チェック・所定情報登録)
  反復的に行うデータ入力・データ収集・分析業務

RPAに適さない業務
  ルール・手順が定まっていない業務
  人間の判断や思考が必要な業務
  仕様変更頻度の多い業務

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業務改善の検討

 業務の洗い出し後、最終的にRPA化するしないに関わらず、業務改善方法を検討してみましょう。

 業務改善においては、業務改善の4原則「ECRS」を意識して行いましょう。「ECRS」は次の4つの業務改善を示します。

・Eliminate:業務を排除すること
・Combine:業務をまとめること
・Rearrange:業務の順番を入れ替えること
・Simplify:業務を単純にすること

 「ECRS」 を重視して整理すれば、より効果の高い業務改善を行えますし、RPAでの自動化をよりシンプルに実現できる可能性があります。RPAの導入検討が業務改善のきっかけとなり、RPAを適用しない業務に対しても結果的に業務改善を行えたという事例もあります。

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費用対効果の検討

 RPAの導入にあたって、費用対効果の検討として次の点を洗い出すことが重要です。

①RPA化を検討している業務の業務時間はどの程度かかっているか
②RPA化を検討している業務の実施頻度(最終的にその業務を実施する回数)
③業務をRPA化するのにかかる時間

単純計算で考えると、時間をコストへ変換して見積もった場合に、次のような関係が成り立るようであれば、RPA化の検討をする価値があると判断できます。

① × ② で算定する時間(コスト) > ③の時間(コスト)

 総合的には上記の全業務総計に、RPAの導入・運用コストも含めて比較した場合に、 費用対効果があるかを判断する必要があります。

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運用体制の検討

 RPAは継続利用するものとなるため、RPAの運用コストは勿論のこと、誰がRPAをメインテナンスしていくのか、何かあった場合に誰が対応するのかといった運用体制も事前に検討しておきましょう。

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まとめ

 RPAの導入検討で悩んでいる場合は、本記事に記載した内容を参考にしてみてください。

 RPAの導入後は、一度に全ての業務の自動化を目指すと、慣れない中の試行錯誤で初期コストが大きくなったり、問題が発生した場合に通常業務への影響が大きくなることも考えられますので、より効果が高いと考える部分からRPA化を行い、効果検証を行いながら対応していくという考えも重要です。

 RPAは上手く活用すると、業務効率化に繋がることは勿論、携わるメンバの業務改善への意識を高め、業務に対して高い視座で向き合えるビジネスパーソンの育成に繋げることもできます。

 是非あなたもRPAを導入してみてはいかがでしょうか。

 

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