Copilot Cowork で議事録の承認フローを作ってみた|Power Automate と何が違うのか

Copilot Cowork とPower Automateで議事録承認フローを構成する違いを表したイメージ

Copilot Cowork を使って、議事録の作成から
承認依頼・通知まで自動化できるのかを検証しました。

本記事では、Copilot CoworkとPower Automateで同じ業務を構築し、
その違いと業務設計の考え方を整理していきます。

こうした業務設計の考え方は、実際の業務改善にもそのまま応用することが可能です。
まずは自社の業務にどのように適用できるか、イメージしてみたい方はこちらからご相談ください。

※状況に応じた活用方法の整理からご支援可能です

【目次】

この記事で扱うこと|同じ業務を2通りで作ってみる

現場でよくある議事録業務|どこまでが“1業務”か?

Copilot Cowork で議事録承認フローを作る|スキル設計の考え方  

Power Automate で作る|同じ業務をこう分解した 

Copilot Cowork とPower Automateの違い|議事録承認フローで比較

違いが生まれる理由|業務設計という視点

Copilot Cowork を含む AI活用3段階モデルへ

まとめ|Copilot Cowork は選択肢の一つに過ぎない

この記事で扱うこと|同じ業務を2通りで作ってみる

Copilot Cowork の柔軟な構造とPower Automateの直線的なフロー構造の違いを表したイメージ

今回の記事では、同じ業務をあえて2通りで作ります。

題材は「議事録作成と承認フロー」です。一見するとシンプルな業務ですが、
実際には多くの要素が含まれています。

AIによる要約、定型フォーマットへの整形、そして最終的な承認。
これらを一つの業務として捉えたとき、どのように設計するかが重要になります。

今回はこの業務を、Copilot Cowork と Power Automate のそれぞれで実装してみます。

ここでのポイントは、ツールの優劣を比較することではありません。同じ業務でも作り方によって
考え方が変わること、そしてその違いから「業務設計」という視点が見えてくることです。

AIや自動化ツールを使う際、つい機能やできることに目が向きがちです。
しかし実際に重要なのは、その業務をどう組み立てるかです。

本記事では2つの実装を並べて見ることで、
ツール選びではなく業務の捉え方に着目していきます。

なお、Copilot Cowork の基本的な考え方については、
前回の記事で詳しく解説しています。初めての方はあわせてご覧ください。
👉 Copilot Cowork とは?

シリーズで読む
Copilot Cowork でできることや活用事例、
どのような場面でに適しているかを確認できます

第1弾|Copilot Cowork の基本を知る
Copilot Cowork とは?

第3弾|Cowork を含めた AI活用の使い分けを学ぶ
Copilot Cowork で見えた、AI活用の3段階モデル

現場でよくある議事録業務|どこまでが“1業務”か?

Power Automate のフローとして処理が順番に実行されるイメージ

今回扱う業務は、「議事録作成と承認フロー」です。

会議が終わった後、内容を思い出しながら議事録を作る。
この作業は多くの現場で日常的に行われています。

最近では、会議の録音データやテキストをもとに、AIが要約を生成するケースも増えてきました。
これにより、ゼロから書く負担は減っています。

しかし、実務としての議事録はそれだけでは完結しません。

要約された内容をもとに、あらかじめ決められたフォーマットに整える必要があります。
例えば、決定事項、対応事項、担当者などを整理する工程です。

さらに、その内容を関係者に共有し、最終的には承認をもらうという流れが続きます。

つまり今回の題材は、「AIで要約する」だけの話ではなく、
「業務として成立させる」ための一連の流れを含んでいます。

この一連の流れをひとつの業務として捉え、それをどう分解し、
どうつなげるかが設計のポイントになります。

Copilot Cowork でも Power Automate でも、この業務は実現可能です。

ですが、その実現のさせ方には違いがあります。

どこで人が関わるのか、どこを自動化するのか、どこまでを一つの処理として扱うのか。
この違いが、そのまま業務設計の違いとして表れてきます。

本記事では、この業務をベースにしながら、それぞれの構築方法を見ていきます。

議事録作成の自動化については、ChatGPTと
Power Automateを組み合わせた事例もあります。
👉 ChatGPT API × Power Automate(Teams議事録)

Copilot Cowork で議事録承認フローを作る|スキル設計の考え方

この方法で業務を作る場合、特徴的なのは「スキル」という単位で設計する点です。

従来のフロー型の自動化では、処理の順番や条件を明確に定義する必要がありました。
一方で、Copilot Cowork では業務を「どう実行するか」ではなく、「何をさせたいか」
という粒度で考えます。

今回の議事録作成を例にすると、「議事録を作る」「内容を整理する」「承認依頼を行う」
といった一連の流れを、個別のスキルとして定義していきます。

それらのスキルを組み合わせることで、一つの業務として成立させるイメージです。

■ Copilot Cowork のスキルとは

Copilot Cowork におけるスキルとは、AIに対して
「このような処理をしてほしい」と意図を伝えるための定義です。

例えば、「会議内容を要約する」というスキルを定義すれば、
入力された情報に応じて柔軟に要約を生成します。

ここで重要なのは、細かい処理の流れをすべて決めきらなくても、
ある程度はAIに任せられるという点です。

Copilot Cowork のようにAIを活用した業務設計は、Copilot Studio との
違いも含めて理解するとより整理しやすくなります。
👉 Copilot Studio とは?


■ スキル設計のポイント

スキルを設計する際のポイントは、「どこまでを一つのまとまりとして扱うか」です。

粒度を細かくすれば制御はしやすくなりますが、その分設計は複雑になります。

逆に大きくまとめるとシンプルになりますが、細かい制御が難しくなる場合もあります。

このバランスをどう取るかが、業務設計の考えどころになります。


■ 実際に動かしてみた

今回の構成では、会議データを入力として受け取り、まずAIが要約を生成します。

その後、定型フォーマットへ整理し、最終的に承認依頼を行うという流れになります。

この一連の流れは、明確な分岐や条件を細かく書かなくても、
スキルの組み合わせとして表現することができます。

その結果として、フローというよりも「業務を覚えさせている」感覚に近い構築になります。

Power Automate で作る|同じ業務をこう分解した


Power Automate で同じ業務を作る場合、基本となるのは「フロー」という考え方です。

フローでは、処理の開始条件(トリガー)から順にアクションを積み重ねていきます。
どのタイミングで何を行うかを、明確に定義していく構成になります。

今回の議事録作成の場合、まずは何をきっかけに処理を開始するかを決めます。
例えば、会議データが保存されたタイミングや、手動での実行などが考えられます。

トリガーが発火した後は、順番に処理をつないでいきます。会議データを取得し、
AI Builder によって要約を生成し、その結果をもとに議事録のフォーマットへ整形します。

その後、承認アクションを配置することで、関係者に承認依頼を送ることができます。

■ 構成図と全体像

Power Automate の特徴は、処理の流れが明確に可視化される点にあります。

トリガーから始まり、それぞれのアクションが矢印でつながることで、
どのような順番で処理が行われているかが一目で分かる構成になります。

どの処理がどこで行われているかが明確なため、
ロジックの把握や修正がしやすいというメリットがあります。


■ AI Builder で議事録生成

議事録の作成部分では、AI Builder を活用することで、
会議データから要約を生成することが可能です。

ここでは、入力と出力が明確に定義されるため、どのデータを使って
何を生成するのかを意識して設計する必要があります。

そのため、AIの処理もフローの一部として組み込まれます。

Power Automate におけるAI活用については、
AI Builder を用いた具体的な事例も参考になります。
👉 Power Automate × AI Builder 活用事例


■ 承認フローの設計

最終的な承認については、Power Automate の承認アクションを使って構築します。

誰に承認を依頼するのか、承認結果をどのように扱うのかといった条件を定義することで、
業務としての流れを完成させます。

このように、Power Automate では一つひとつの処理を明確に分解し、
それらを順番につなげることで業務を作っていきます。

Copilot Cowork とPower Automateの違い|議事録承認フローで比較

Copilot Cowork とPower Automateの業務構造の違いを複数パターンで比較したイメージ

ここまで、それぞれの方法で同じ業務を作る流れを見てきました。

では、この2つを並べて見たときに、どのような違いがあるのでしょうか。

ポイントは、どちらが優れているかではなく、
「業務をどう捉えているか」という視点で見ることです。

以下に、Copilot CoworkとPower Automateの違いを、
議事録承認フローという同じ業務で整理します。

観点Copilot CoworkPower Automate
業務の捉え方「目的・やりたいこと」から設計する「処理の流れ・手順」から設計する
設計単位スキル(業務のまとまり)アクション(処理単位)
柔軟性状況に応じて処理が変化しやすい定義した通りに正確に動作する
可視化処理の意図は分かりやすいが流れは抽象的フローとして流れが明確に見える
人の関与人の判断や介在を前提に設計しやすい明確に人の介入ポイントを定義する
向いているケース判断を含む業務、柔軟な対応が必要なケース定型的な業務、処理手順が明確なケース

このように並べて見ると、どちらが優れているというよりも、
業務の捉え方そのものが異なることが分かります。

重要なのは「どのツールを選ぶか」ではなく、
「どのような業務として設計したいか」という視点です。

実際の承認フローについては、Teamsと連携した具体的な実装例も参考になります。
👉 Power Automate × Teams で業務効率化

ここまでの比較から、同じ業務でも設計の考え方が大きく異なることが見えてきたかと思います。

では、自社の業務に当てはめた場合、どのような構成が最適になるのでしょうか。
業務内容や運用によって最適な設計は変わるため、具体的に整理したい方はご相談ください。

※要件整理・構成検討・ライセンスや課金方式の検討まで対応可能です

違いが生まれる理由|業務設計という視点

ここまで、Copilot Cowork と Power Automate の2つの方法で、
同じ業務を作る流れを見てきました。

それぞれのやり方には特徴があり、設計の仕方にも違いがあります。

しかし今回の比較を通して見えてきたのは、ツールの違いそのものではありません。

むしろ重要なのは、「業務をどう捉えるか」という視点です。

同じ議事録作成という業務でも、どこまでを一つの処理として扱うのか、
どこに人の判断を入れるのかによって、設計のアプローチは大きく変わります。

この方法では、業務をスキルとしてまとめる形になります。

一方で Power Automate では、処理を細かく分解し、
順序立てて組み上げることで、安定した実行を実現します。

どちらの方法であっても、最終的には「自己チェック」や「承認」といった人の関与は残ります。

つまり、AIや自動化ツールを使ったとしても、業務そのものが
人から完全に切り離されるわけではありません。

だからこそ重要になるのが、業務設計です。

どの部分を自動化し、どの部分を人に任せるのか。
この判断こそが、ツール以上に大きな意味を持ちます。

今回の比較は、その考え方を整理するための一つの手段です。

ツール選択ではなく、業務設計が主役であるという視点を持つことが、
今後のAI活用において重要になってくると考えられます。

AIや自動化の活用については、Microsoftの公式ドキュメントでも
基本的な考え方が整理されています。全体像を把握する上でも参考になります。
👉 Microsoft Power Automate の概要

Copilot Cowork を含む AI活用3段階モデルへ

今回の記事では、同じ業務を異なる方法で構築することで、
業務設計の考え方に着目してきました。

しかし、実際の現場では「どのようにAIを使い分ければよいのか」
に迷う場面も多いのではないでしょうか。

次回は、この点を整理するために、「AI活用の3段階モデル」という考え方を紹介します。

どの段階でどのツールを使うべきか、そして業務に応じた使い分けの軸について、
より具体的に解説していきます。

Copilot Cowork を含めたAI活用を全体像で捉えることで、
今回の内容をさらに整理できる内容になっています。

Copilot Cowork を含めたAI活用を全体像で捉えることで、
今回の内容をさらに整理できる内容になっています。
→ Copilot Cowork で見えた、AI活用の3段階モデル

まとめ|Copilot Cowork は選択肢の一つに過ぎない

本記事では、同じ業務を Copilot Cowork と Power Automate の2つの方法で構築し、
その違いを整理してきました。

重要なのは、「どのツールを使うか」ではなく、「どのように業務を設計するか」という視点です。
ツールごとの特性を踏まえて適切に使い分けることで、業務の効率化につながります。

実際の業務に適用する際には、業務全体を整理したうえで最適な構成を検討することが重要です。
導入や具体的な活用イメージを検討したい方は、お気軽にご相談ください。

※小さな検証から本格導入まで幅広く対応しています